株式会社トリプルアイズ(東京都千代田区、代表取締役:福原 智)代表・福原智が2020年2月7日、山形大学(山形県山形市、小山清人学長)で「仕事の流儀〜プロから学ぶ仕事のやりがい〜」と題して講義を行いました。
福原が講義を行なったのは、山形大学におけるキャリア教育の一環として行われている、職業観や就業観を醸成する授業にて。1年生を主体とする学生約100名を前に講義を行い、その後にグループワーク、質疑応答が行われました。
ちなみに福原は山形大学理学部物理学科を卒業しており、母校で教壇に立ち、若い学生たちにエンジニアという仕事のやりがい、さらにAIと人間の未来について熱弁を振るいました。
■ITベンチャーが歩んできた道
まず、福原が青春時代を過ごした山形大学キャンパスのエピソードから講義はスタート。卒業後にエンジニアとなり、なぜ独立したのかという起業への思いを語りました。その後、2008年に立ち上げたトリプルアイズの現在までの道のりを辿り、日本で数少ない囲碁AIに挑戦している企業であること、囲碁AIを通じてディープラーニングと画像認識技術を深化させ、画像認識プラットフォームAIZE開発に至った歩みを解説しました。
■産業革命は常にエンジニアが主役
続いて、技術革新がいかに社会変革を促していったのか、第1次産業革命から説き起こしました。製鉄機械と蒸気機関、紡績機が結びついて蒸気機関車が誕生した話から、様々なテクノロジーが結合してこそイノベーションが生まれることを解説。
コンピュータが誕生して74年が経った現在、第4次産業革命においては、AIとIoT、ブロックチェーンが結びついて新たなイノベーションが誕生しつつあることに触れ、ディープラーニングによって「眼」を持ったAIが、IoTによって「手足」を持つようになり、さらに進化していくだろうと将来を予見しました。
さらに、イノベーションは常にエンジニアから始まっていることを、歴史上のエンジニアたちを紹介しながら解説し、第4次産業革命においてもエンジニアの役割が大きいと力説しました。
■プロフェッショナルの流儀
最後は、プロフェッショナルになるための法則を紹介。モーツァルトやビル・ゲイツをはじめとした成功者には、大成するまで1万時間(3年半)の下積み期間があったこと、頼られるプロフェッショナルとして独立するまでの時間には1万5000時間(5年強)を要することを説明し、「プロは報酬に得て楽しむ。感動によって仕事を得る」という言葉で講義を締め括りました。
質疑応答も活発に行われ、AI最先端の現場に触れた学生たちの興奮が伝わってきました。
◼︎ 福原智(ふくはら・さとし)プロフィール
株式会社トリプルアイズCEO。BCCC(ブロックチェーン推進協会)理事。
1975年、神奈川県生まれ。山形大学理学部物理学科卒。
大手通信基幹システムのメイン開発プログラマーとして参画。
2008年トリプルアイズを創立。技術者集団を率いて独自のAI研究開発に取り組み、囲碁AI世界大会では4位入賞。
著作『テクノロジー・ファースト-なぜ日本企業はAI、ブロックチェーン、IoTを牽引できないのか?』(2018年/朝日新聞出版)は業界内外の好評を得ている。
福原智著
『テクノロジー・ファースト なぜ日本企業はAI、ブロックチェーン、IoTを牽引できないのか?』
目次
はじめに〜われわれはどこから来たのか?
第1章 ゲーム盤の向こうにある
戦争
──囲碁AI国際大会が突きつける覇権争いの行方
第2章 ビッグデータという資源の獲得を競う現在
──4回目の産業革命と、IT開発4度目の波
第3章 テクノロジーへの古い固定観念に囚われた日本
──第五世代コンピュータに始まる挫折の歴史
第4章 産業革命4.0の本番はこれからの50年にある
──分野を越えて共振するテクノロジー
第5章 ポスト・ディープラーニングを掘り当てろ!
──ブロックチェーンとIoT、AIの本質
第6章 テクノロジー・ファーストのIT企業だけが未来を見る
──IT企業の経営者が持つべき使命
おわりに
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