囲碁AI「GLOBIS-AQZ」が、2019年8月21〜25日、中国山東省日照市において開催されている「2019中信証券杯 第3回世界電脳囲碁オープン戦」の準々決勝において、残念ながら敗退いたしました。
株式会社トリプルアイズ(東京都千代田区、代表:福原智)は、グロービス(東京都千代田区、代表:堀義人氏)、山口祐氏、公益財団法人日本棋院(東京都千代田区、理事長:小林覚氏)、国立研究開発法人産業技術総合研究所(東京都千代田区、理事長:中鉢良治氏、以下「産総研」という)と協働し「GLOBIS-AQZ」プロジェクトへの参画、プログラム開発の一翼を担ってきました。
2017年、中国内モンゴルで開催された第1回から始まった世界的な囲碁AIの大会。ヨーロッパやアジア各国から多数のプログラムが参加し、数日をかけて覇権を争います。第3回の今年は、世界最強を誇るテンセント社(中国)の「絶芸-Fine Art-」など14チームがエントリーしました。
21日のスイス式トーナメントによる予選、22〜24日に準々決勝、準決勝、25日に決勝戦が行われました。
第3回中信証券杯に出場した「GLOBIS-AQZ」は、21日に行われた予選では「絶芸-Fine Art-」に破れたものの4勝1敗、3位で決勝トーナメントに進出しました。
22日の準々決勝の対戦相手は、ベルギーから参加の「LeelaZero」でした。「LeelaZero」は6位で予選通過、予選で勝利を収めていたこともあり、戦前は「GLOBIS-AQZ」の勝利が予想されていました。しかしながら、1時間を超える熱戦の結果、軍配は「LeelaZero」に上がりました。半目差での敗北であり、日本ルールでなら勝利していたほどの接戦でした(本大会は中国ルールを採用)。
2018年9月に発足した囲碁AIの開発プロジェクト。グロービスが主体となり、トリプルアイズと山口祐氏による共同開発、日本棋院の協力の下、若手囲碁棋士育成を行います。また本プロジェクトでは、産総研と「高性能計算機を用いた強化学習モデルの最適化に関する研究」を共同で行います。将来的には、開発されたプログラムをオープン化し一般の利用を進めるなど、広い視野でのプロジェクト展開が考えられています。
囲碁AI「GLOBIS-AQZ」は、山口祐氏が開発し世界2位(2018 中信証券杯 第2回世界電脳囲碁オープン戦準優勝)の実績をもつ「AQ」の思考アルゴリズムを引き継ぎ、山口氏がAIの強化学習を設計。トリプルアイズは強化学習におけるレーティング結果の計測、可視化と、山口氏の担当する思考アルゴリズムの構築サポートを行いました。
さらに、AIの強化学習に向けた大規模演算のためのインフラ構築と最適化を支援するグロービス、囲碁AIによるプロ棋士の学習支援で若手棋士育成を協働する日本棋院、開発段階で欠かせない大規模計算資源に産総研のAI橋渡しクラウド「ABCI」を利用し、「GLOBIS-AQZ」は研究開発されました。
株式会社トリプルアイズ 広報(担当:服部隆広)電話:03-3526-2202
トリプルアイズHP:https://www.3-ize.jp/