こんにちは。
トリプルアイズ広報の白石です。
トリプルマガジンでは、当社の製品やサービスについてはもちろん、IT・AIに関する最新情報を発信しています。たまに社内の出来事もお知らせします。⾝近に感じていただけると嬉しいです。
今回のコラムは、「囲碁AI開発は新たなステージへ─UEC杯コンピュータ囲碁大会で当社エンジニアが優勝」という内容でお届けします。
ニュースでは
■ 夏季休業のお知らせ
■ 生成AIが拓くモノづくり立国ニッポンの本当の可能性
─「トリプルアイズフォーラム in NAGOYA」を開催
■未来の金メダルを誓う 少年少女レスリング大会でBEXとトリプルアイズが子供たちを応援
■生成AIで変わる未来の教育「教育AIサミット2024」に当社AIエンジニアが登壇
をご紹介します。
「今日から使えるChatGPTビジネス活用Tips」ではChatGPTにまつわる小ネタをご紹介します。
最後にIT批評では物語る動物(ホモ・ナラトゥス)としてのわたしたち」をご紹介します。
ぜひ最後までお付き合いください。
【目次】
優勝はトリプルアイズエンジニアの「Engawa」
2016年にGoogleが開発したAlphaGo(アルファ碁)がプロ囲碁棋士を破ったドラマは、ディープラーニングの実力を世に知らしめ第3次AIブームの到来を告げました。その後も中国をはじめ各国でコンピュータ囲碁の大会が開催され、今なお人工知能研究のベンチマークとして機能し続けていることがわかります。日本では、2007年よりUEC杯が開催されAI技術のメルクマールとして役割を果たしています。
第16回目を迎える本大会には日本、韓国、台湾の強豪16チームが揃い、AIの技術を競いました。初日の予選を勝ち抜いた上位8チームが、2日目にAリーグ決勝に進出し、総当たりで対局。2日目の本戦はYouTubeでも生中継で配信されました。Aリーグ優勝を遂げたのはトリプルアイズのエンジニア・吉枝悟の「Engawa」でした。予選・本戦を通して圧倒的な技術力の高さを見せ、6回目の出場で初優勝を勝ち取りました(前回2位)。また、同じくトリプルアイズのエンジニア・松崎憲介のプログラム「no-policy eg」に独創賞が与えられました。
新たなアイデアにチャレンジする場に
今年の特徴として、参加者が各々の創意工夫を凝らしたユニークなプログラムが増えたことが挙げられます。優勝したEngawa(吉枝 悟)はGLOBIS-AQZの棋譜をもとに年々バージョンアップを重ね安定的な強さを発揮しました。独創賞に選ばれた3つのプログラムは、新たな技術へのチャレンジが評価されたものです。韓国から2回目の出場となったNova(Sounman Hong)は、オープニングを最適に活用する方法をAIに学習させました。Maru(武田 敦志)は、ChatGPTでお馴染みのTransformerを組み合わせたモデルを構築しました。no-policy eg(松崎 憲介)は、モンテカルロ木探索で使用される着手確率から推定せずに目数から推定するプログラムに挑戦しました。いずれも囲碁AIの可能性を広げたことが評価されました。
対局後に技術者同士が技術談議をするシーンが印象的で、UEC杯が貴重な技術者相互のコミュニケーションの場としても機能していることを感じました。
左:優勝した吉枝 悟、右:独創賞受賞の松崎憲介
https://www.3-ize.jp/information/4687/
■ 夏季休業のお知らせ
トリプルアイズでは下記の日程を夏季休業日とさせていただきます。
夏季休業日
2024年8月13日(火)~8月15日(木)
2024年8月16日(金)より、通常営業を開始いたします。
休業中のメール等でのお問い合わせにつきましては、16日以降ご連絡させて頂きます。
皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご了承いただきますようお願い申し上げます。
■ 生成AIが拓くモノづくり立国ニッポンの本当の可能性
─「トリプルアイズフォーラム in NAGOYA」を開催
https://www.3-ize.jp/information/4741/
■ 未来の金メダルを誓う
少年少女レスリング大会でBEXとトリプルアイズが子供たちを応援
https://www.3-ize.jp/information/4754/
■生成AIで変わる未来の教育
「教育AIサミット2024」に当社AIエンジニアが登壇
https://www.3-ize.jp/information/4758/
このコーナーでは、業務ですぐに利用できるChatGPTの簡単なコンテンツをお届けしていきます。業務効率化や会話の小ネタとしてお役立ていただけると幸いです。
2022年11月にOpenAIからChatGPTがリリースされて以来、生成AIの普及が急速に進んでいることを感じます。特にビジネス分野では大いに注目され、多くの企業が生成AIを積極的に業務に活用するようになってきています。では、実際にはどのような実績があるのでしょうか? 今回は、3社のプレスリリースをもとにその実態をご紹介します。
生成AIの業務効率化の実態
▪️ LIFULLの事例
株式会社LIFULLは、生成AIを活用して半年間で合計2万時間以上の業務時間を創出したことを発表しました。LIFULL社員の71.8%が生成AIを活用しており、総勤務時間の3.5%に該当する20,732時間の業務時間が新たに創出されたという結果が出ています。さらに生成AIを活用した社員の52.7%は業務の質も向上したと回答しています。具体的には「文章・資料の作成/編集/添削」、「調査/検索/情報収集/情報の整理/データ分析」、「アイデア出し/壁打ち/比較検討」といったシーンで活用されており、コア業務の比率が前年同期間比で3.6%~6%ほど向上しているそうです。
【LIFULLのプレスリリース】https://lifull.com/news/32171/
▪️ GMOインターネットグループの事例
GMOインターネットグループでは生成AIを活用することで、2024年上半期に約67万時間の業務時間を削減したと発表しています。同グループの社員(国内パートナー)の83.9%が生成AIを活用しており、一人あたりの業務削減時間は26.8時間/月に達しています。
GMOインターネットグループでは複数の生成AIモデルを使い分けることが一般的で、GPT-4が最も評価されているとのことです。また、生成AIとロボットの融合にも注目が集まっており、今後の技術進化が期待されています。
【GMOインターネットグループのプレスリリース】https://www.gmo.jp/news/article/9051/
▪️ パナソニック コネクトの事例
パナソニック コネクトでは、生成AIの導入から1年で18.6万時間の労働時間削減を達成しました。社員一人あたりの削減時間は平均で約20分/日と報告されています。具体的には、検索エンジンの代わりとしての単純な質問のやり取りから、戦略策定の基礎データ作成といった長時間の削減に至るまで、さまざまな場面で活用されています。
【パナソニック コネクトのプレスリリース】https://news.panasonic.com/jp/press/jn240625-1
生成AIの登場から1年半が経過し、多くの企業で業務効率化の成果が出ています。3社の事例からも分かるように、生成AIの活用によって業務時間の削減と業務の質の向上が実現されています。
今後もさらに多くの企業が生成AIを活用し、業務効率化を推進していくことが予想されます。生成AIを業務で使うことが当たり前になってきていますね。
ゼロから始める「ChatGPT業務効率化実践講座」
https://www.3-ize.jp/chatgptkouza/
講座の詳細はお問い合わせください。
新着レビュー「物語る動物(ホモ・ナラトゥス)としてのわたしたち」by都築正明
人間は物語を形成する生きものであり、物語は人の心理に働きかけます。その物語には普遍性はあるのか、そこに言語はどうかかわっているのか。AIは物語を形成できるのかという疑問を軸に、言語と物語について考えてみました。
ぜひご一読を!
〈目次〉
ドミナント・ストーリーとオルタナティブ・ストーリー
言語が先か物語が先か
言語はどこからうまれたか
ラテンアメリカの語り部たち
生成AIの紡ぐ物語
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
8月に入りました! 先月からの猛暑はまだまだ続きそうですが、来週7日は立秋、暦の上では秋に入るので驚きます。今月夏休みを取られる方も多いと思います。皆様、良い休暇をお過ごしください。
次号は8月22日(木)配信です。それでは、次号もお楽しみに!